HowTo: イラレ「透明」トラブル
- omotenashi8
- 2016年2月14日
- 読了時間: 3分
イラストレータで「透明」や「ドロップシャドー」「グラデーション」等を使用した場合、「その周辺の背景の色が他と異なって印刷される」「配置画像が抜ける」「画像の周りに薄く線が入ってしまう」等々のトラブルが発生する事があります。 ここで言う「透明」とは通常の「透明効果」以外にも「ドロップシャドー」や「グラデーション」等も当てはまります。これらを誤った設定で使用した場合、出力時思わぬトラブルが発生する事があります。 作成したイラレデータを「eps.」形式で「別名で保存」してみると、『透明部分に特色が使用されている場合、illustrator以外でのプロセスカラーの変換では予期せぬ結果が生じることがあります。』というアラームメッセージが出ます。この場合は注意が必要です。 透明効果は「.ai」の状態では「透明」ですが、その他の「.eps、postscrip、PDF」つまり「PostscriptでRIP」する印刷時には「透明に見える不透明のオブジェクト(ビットマップ)」に変換し、出力します。その変換の際、上記の設定に問題が有ると分割されたオブジェクトと分割 されていないオブジェクトの境に、あるはずのない線が発生したり、背景の色が異なったりしてしまいます。イラレの画面やPDFでは正常に見られるので気づかない場合が多いので注意が必要です(またイラレでのダイレクトでの出力でもトラブルは発生しません)。 これを避けるには「透明効果」(ドロップシャドー等を含む)を作成する場合、以下の設定にするとほとんど回避できます。
イラストレータのプルダウンメニューの
「効果」→「ドキュメントのラスタライズ効果」→72dpiから350dpiにする。
「ドキュメント設定」→「透明」→「高解像度」にし、「カスタム」→「ベクトル」(100)にする。
「スオッチ」の「未使用項目を選択」で使用していないスォッチをゴミ箱にいれて削除する。残った使用中のスォッチの中で特色があればCMYK(プロセス)に変換しておく。
「.ai」ではなく「.eps」にて保存して、保存時に上記のエラーメッセージが出ていない事を確認する。
「.eps」保存の場合は自動トンボではなく実線のトンボを作成して下さい。CS4~CS5.5までは実践のトンボは作成できません(CS6以上では復活しております)ので実線のトンボを作成するイラレ用のチップスもネットで入手できますのでご利用下さい。
上記の設定の前に透明効果を適用してしまった場合は、後で設定し直してもトラブルが改善しない場合があります。その際は上記設定にした「新規ドキュメン ト」を作り、現データのロックをすべて解除した後で「カット」し、新規ドキュメントに「コピー」(再ラスタライズ化となります)するとほとんどの場合修復で きます(グラデが存在する場合、グラデの見え方が変わりますので調整してください)。
上記の作業が判りずらい場合はイラレを「PDF-X4」形式で保存するか、「透明効果を使用」している旨、ご依頼時に教えていただければ結構です。
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